
過去にハンバーガーチェーンの立ち上げにも関わった経験を持つフードコンサルタントの白根智彦氏はこんな見方をする。
「マックは4年前から禁煙化を進めてきたと説明していますが、この4年間はスターバックスをはじめとするコーヒーチェーンやコンビニコーヒーなどの台頭で『カフェブーム』が盛り上がっています。
マックもご多分に漏れず“プレミアムコーヒー”や“マックカフェ”などデザートメニューを増やして客数アップのけん引役にしてきました。分煙対策を進めたのも、カフェ化の強化でリピーターを増やそうとしていたからです。
それが、今になって急に全席禁煙を打ち出したのは、中国問題を受けて品質・環境問題をアピールする必要に迫られたのはミエミエ。あまりにもマーケティング戦略がブレ過ぎていると言わざるを得ません」(白根氏)
引用元:マックの全席禁煙「cafe戦略のブレで来店動機薄れる」と識者
使用期限切れ食肉使用問題で、売上高が約20%落ち込んでいると発表した日本マクドナルドホールディングス。
メニューの廃止や60秒チャレンジと様々な”画期的なアイデア”を生み出し続けているマクドナルドだが、14ヶ月連続で客数は減り続けているようだ。
白根氏曰く、マックが禁煙化を勧める理由は2つある。
1つは上記にあるとおり、環境に気を使うことで少しでもイメージをよくしようとするもの。
1つは、子供に対して安全性をアピールするため。
しかしマックのスローガンは”すべてをお客様のために”というもの。
このように喫煙者を完全に排除してしまうのは、顧客の減少を加速させるだけだと言う。
マクドナルドらしいブランディングを行うためには、安さ以外には無いのではないだろうか。
高級路線で行けば、モスバーガーやロッテリア、ケンタッキーにも遮られるかもしれない。
安全性はもはや不可能だろう。
いや、そもそもマックの安全性アピールはもはや無意味だと考える。
勿論今回の食肉問題などは言語道断だが、そもそも健康面に気を使っている人はマックに行かないのではないだろうか。
例えば今回の全席禁煙も、そもそもタバコの煙を気にするような人はマクドナルドには行かないと考える。
何故なら、今までもマックは分煙であったし、タバコの煙は心配だが、マックの栄養には心配ない――と考える人間がどの程度いるのだろうか。
しかし一方で、マックにはお金の無い学生やちょっとした昼食には適していると考える。
良くも悪くもお洒落な雰囲気は皆無であり、常にワイワイガヤガヤしている。
まさに”全てのお客様に”である。
という事で、マックは安さとフランクな雰囲気以外でブランディングを行うことはもはや不可能に近いと考える。