
小説『細雪・谷崎潤一郎著』とは?
第二次世界大戦真っ只中の昭和18年1月、月刊誌『中央公論』にて連載が始まった『細雪』は軍部に掲載を阻止され、以後私家版を友人や知人に配ったがそれすら軍に阻止されるという戦時中の背景から言えば『問題作』であった。
しかし谷崎はめげずに戦後、京都の鴨川付近に住居を移しそこで『細雪』を完成させた。
その後『細雪』は多くの文芸賞や人気作家により高く評価され、問題作から長大作へと変化を遂げる。
『細雪』のあらすじ
舞台は兵庫県・芦屋。格式ある旧家・蒔岡家の四姉妹が繰り広げる物語で、個性的な四姉妹の人間模様を描いている。
物語は三女・雪子の見合いを軸に進んで行く。美人だが何故か良縁に結ばれない雪子と色恋沙汰が絶えない妙子。そしてそれに奔放する長女・鶴子と次女・幸子。
幸せな結婚へ前進して行く雪子と絶望の淵に堕ちて行く妙子を見守る姉達。そんな四姉妹がどういうラストを遂げるのかは読んでいてとてもハラハラします。
谷崎潤一郎が託した『細雪』への想い(私説)
『細雪』とは、結晶性の高い降っているのかいないのか定かでは無い、とても小さな雪です。優柔不断でハッキリしない、逆に言えば意見が言えない、意見が儚く消えて行く雪子の性格と合っている気がします。
また『細雪』は季語でもあり、気温が低く小粒な雪に『細雪』という名が与えられています。
詩歌では美しいという意味で使われる事が多い『雪』という言葉。
しかし実際は困難や不便な事を巻き起こし、時には命を落とす事もある厳しく冷たい現象です。
谷崎潤一郎はそんな『雪』の美しさと冷酷さを自身の作品の中に見出したのでは無いでしょうか。
おわりに・・・。
さて、今回は『細雪』の話をさせて頂きましたが、いかがでしたか?まだ読んでいないという方は是非一度読んでみる事をオススメします。
余談ですが、『細雪』の登場人物の様な人々は私の周りにも存在します。
愛を求め堕ちて行く女性もいれば幸せへとのし上がって行く女性も、その数は数多です。
『細雪』の時代に比べればかなり恋愛・結婚のし易い時代になったと思います。
しかし、それは逆に幸せな縁談のみ選んでいた時代に比べれば不幸へと堕ちて行くリスクも多いという、幸せなのか不幸なのか解らない時代とも言えます。
その中でどの様な生き方をするか、この自由な時代に生まれた事を後悔しない様生きて頂きたいものです。
貴方の周りにもあるかもしれません。
『細雪』の様な儚く冷酷な物語が・・・。
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