
2015年1月28日に、テレビ朝日の番組の収録中にアイドルがヘリウムガスを吸引した事故について、小児科学会がその詳細をまとめてくださっています。
そのレポートが、以下になります。
No. 53 ヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による意識障害
臨床診断名に書かれている脳空気塞栓抜症については、以下の記事をお読みください。
脳空気塞栓抜症とは?症状や治療について
今後、どのように対策をすべきか
こどもの生活環境改善委員会が、この件についていくつかのデータやアドバイスもしてくれています。
わかりやすくまとめると、以下のようになります。
- 今回用いられたヘリウムガスのスプレーは、大人用だった。
- ヘリウムガスによって、人は命を失うことがある。
- ヘリウムガスで空気塞栓症になる例は非常に稀だが、条件が整えば十分にありえる。
- テレビでヘリウムガスを面白く使うことにより、子供たちが真似して同様の事件を起こす可能性がある。
- その対策として、医療関係者が今回のような子供の事件を明らかにしたり、大人にしか販売しないなどをすべきだ。
- しかしこれらの対策をもってしても全てを防ぐことは不可能なため、1回の吸引で排出される量を制限したり、一度にたくさん吸えないように匂い等を付けるとなど、製品自体に制限を設けるべきだ。
- 今回、12歳にヘリウム缶スプレーが用いられたことは、審査が必要だ。
- そして、今後このようなことがないように、今回の件を詳細に調べ予防法を考え、それを公表すべきだ。
とのこと。
最後の部分は非常に重要で、こういう時こそテレビをうまく活用して欲しいですよね。
“こういうことはしないでください”だけではなく、“こうやって対策してください”と。
いずれにしても、テレビで12歳の少女に成人用のヘリウムガスを吸引させることは、影響力のあるメディアのすることではありません。
今のところテレビではこの詳細については公表されてませんが――どう対応されるのでしょう?
関連